小説 川崎サイト

 

雨の日の人出

 
 雨の日は客足が遠のく。人出も減る。雨が降ろうと降るまいが来る人は来る。用事があるためだ。
 台風が来ていても、交通機関が無事なら、行くだろう。
 では雨の日に出掛けない人は何だろう。それほど重要な用件ではないためか。
 天気がよければ出掛ける。これは行楽とか遊びに多い。ただ、約束をしている場合、雨天決行になるかもしれない。出掛け先ではなく、人と合うのが目的のため。
 天気がいいと出掛けたくなる。それは何処でもいいのだろう。そして出掛けなくても。
 そういう人が雨の日に顔を出さないと、人出が少ないように思われるが、別の事情もあるはず。
 逆に雨だからこそ出掛けるというのは希。雨の日の梅がいいので、梅見に出掛けるとか。
 どうでもいい遊びや行楽、一寸したお出掛けや買い物やイベント。行く行かないは気分にもよるはず。雨ではその気にならないとか。しかし、傘がないわけではない。
 出掛けるのが習慣になっていると、多少の雨でも行くだろう。しかし、ハイキングとかは無理。夏場のプールや海水浴も。
 晴れていると出掛ける気分になるが、雨では出掛ける気にならないことは何となく分かる。出掛け先の何かが目的なのではなく、出掛けることが目的だったりする。
 逆に晴れている日は出掛ける気がなく、雨や鬱陶しい日だと出掛ける気になる人もいる。これは出掛ける場所にもよるが、すいているためかもしれない。不味いめし屋でもすいているから行くことがある。
 晴れている日はカラッとしている。陽気だ。雨の日はじめっとしており陰気。これは陽が差さないため。
 そのためゾンビや吸血鬼のように、明るいのを嫌がるタイプもいるはず。そういうモンスターもタイプにより明るい場所でもうろついているかもしれないが。
 じとっと湿った状態、こちらの方が情緒があるかもしれない。ただ暗くて陰気なだけではなく。
 それと一寸した閉鎖感、閉塞感がある。これは逆に落ち着けたりする。
 気象の影響で気分が変わったりする。天気も人も繋がっている。同じものではないが、人の体も大自然のなかにある。体にそういうものを感じると、気分が変わるかどうかは分からない。
 しかし、影響はある。
 
   了


2023年2月22日

 

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