小説 川崎サイト

 

どうでもいいこと

 
 予定通り行くと気持ちがいい。それで当たり前、当然と思えることならそうだが、予定通りには成らないことが成ると、これは気持ちがいい。
 予定していることは実現可能なことだが、失敗することも多い。そのため、それを予定に入れたくない。もしくは後回しにしたくなるが、それをやらないと、全体が進まないこともある。だから、やった方がいい。
 蔵本は昨日、それを果たしたのだが、ドキドキもの。途中で失敗したかと思ったが、何とかやり遂げた。
 その過程はあまりよくなかったが、これはタイミングの問題もあるし、また予想外だったところもある。
 だが、想像していたものよりも一段上だったので、その驚きで、いつものパターンに持ち込めなかったのだろう。
 だから内容は想定外だったが、それでも予定を果たしたことで、満足を得た。
 さて、それが次回もある。これはまだ考えてはいないが、予定では少し間を開けてから。
 この間、時間のことで、何日か先になるのだが、二日後でもいいし、三日後でも十日後でもいい。
 ただ、遅すぎるとそのあとの予定が遅くなるので、遅いと考えもの。逆に一日後では早すぎる。
 頃合いを見て、ということだが、この頃合いは曖昧で、予定していても、乗り気ではないことが多い。今はその時ではないと。
 そんな大層なことをやっているわけではないが、大事なことよりも丁寧に扱っている。大事なことは適当でいいが、そうではないことは慎重になる。逆だ。
 これはどうでもいいことなので、真剣にやるのだろうか。別に失敗してもかまわないことだし、予定が狂っても問題は起こらない。ただ残念さは残るが。
 実際にはやらなくてもいいことなので、そこは自主的。
 ただ、蔵本は、大事なことでは自主的とは逆になり、あまり拘らない。普通の人が普通にやるようなやり方だし、選択も似たようなもの。そこに蔵本らしさはない。
 その蔵本らしさが出るのが、どうでもいいような趣味の分野かもしれない。こちらの方は真剣だし、本気だ。
 これは真剣にならなくてもいいし、本気を出す必要がないことなので出来るのかもしれない。不思議な話と言うよりも、逆転しているのかもしれない。
 ただ、蔵本が大事なことを真剣に、そして本気を出してやると、これは一歩も進まなかったりする。
 
   了


  


2023年3月1日

 

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