小説 川崎サイト

 

欠点

 

 一つの欠点が命取りになることもあるが、取られないことも多い。それは一つなので、他のことでは良いのなら、その欠点の一つを避けるなり、それなりの対応をすればすむこと。
 その欠点が常に付きまとうのなら問題だが、たまにそうなる程度なら、扱いを考えればいい。欠点、悪い箇所、また、できない箇所など。
 その欠点を克服できるものもあるが、そこは良いのだが、他の箇所はそれほどでもなかったりする。また、その欠点、滅多に遭遇するわけではなく、頻繁に起こるわけではない。それなら命取りだ。
 たった一つの欠点だが、我慢出来ないとか、気に入らないとかで、捨てたりやめたり、放置したりすることもある。余程かんに障る欠点だったのだろう。そのものにとっては大した問題ではなく、欠点には違いないが、よくある欠点なので、命取りと言うほどではない。
 ただ、命取りとは大袈裟で、それが身体に関することならそのままの意味だが、他のことでは、言いすぎかもしれない。
 まあ、色々なものや事柄にも寿命とかがあり、また死んでいるようなこともある。物置に突っ込み、放置しているものなどがそうだろう。しかし、それを突っ込んだ人により、入れるものが違っていたりする。
 一つの欠点、それが解決すれば、命取りにはならないので、そのものは助かる。解決方法、対処方法はそれなりにあるはず。
 または諦めるというのもある。その一点を除き、他は良いのなら、生かした方がいい。また、他のことに変えても、それはそれなりの欠点があり、逆に多いかも知れない。
 たった一つの欠点。これはトラップだ。気にしなければそんなものかとあっさりと済ませられる。命取りなどと大袈裟なことを言わなくても。
 また、その欠点を補う方法が、もの凄く優れていたりすることもある。そこまでフォローされていたのかと、感動するほど。
 しかし、それは欠点を生かしてとかではない。やはりそれは欠点なのだ。生かすのは長所だろう。欠点は何ともならないので、別の方法でやるしかない。欠点を生かすと、ますます欠点の穴が大きく拡がり、それこそ命取りになる。
 欠点だと思いたくないので転じて長所に、というようなことにはならない。欠点は欠点、長所は長所。長所が欠点になるとすれば、それは最初から欠点で、長所だと思っていただけかもしれない。
 
   了


2023年10月4日

 

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