小説 川崎サイト

 

復活

 

 壊れていると思っていたものが、簡単なことで直ることがある。失ったものが突然戻ってきたりする。
 これは諦めていたことほど得した気分になる。何かを得た、増えたではなく、元通りになっただけで増えてはいない。
 しかし動かなくなっていた箇所が動くと、動くことがひとつ増えたような気がして、これは喜ばしい。元々のものに戻っただけなのだが、もう壊れたままずっとそのまま行くのだと諦め、それが普通になっていたとすると、やはり増えたと感じてしまう。
 島内はそういう復活ものが好きで、目新しいものが加わるわけではないが、以前のように戻っただけでも満足。
 少し欠陥のある、欠けのある。足りないところがあるものが復活した場合、新たに増やそうかと思うこともある。
 これは新たなスタートとなり、その先の展開が可能なため。壊れたままだと現状維持で、それ以上の展開は諦める。動いているだけ、稼働しているだけでも十分で、それ以上は期待しない。
 そのものが持っている可能性。それは万全な状態だからできることで、その気になる。何処か不都合がある場合、安心して次の展開へと進めない。
 しかし欠陥とか、不都合は簡単なことで修復できたりする。ただのボタンの掛け違い程度のこともあり、あっという間に解決してしまう。
不都合の原因が何処にあるのか分からなかったのだろう。
 探しても見つからなかったので、故障扱い。しかし、ものすごく初歩的なところでのスイッチの入れ違いだったりする。
 本当に崩れて、故障になり、元には戻らないものもあるが、そちらは現状維持だけなら、また何とかなる。新展開はないが。
 また、壊れたと思ったのはただの勘違いのこともある。よく知らないものでは起こりやすい。知っている人にとっては何でもない初歩的な問題だったりする。
 何かよく分からない機械を渡され、それを適当に操作しているようなもの。ただよく知っているものでも、初歩的な間違いをやっていることもある。
 今回島内は不都合があると思っていたのだが、勘違いだったことが分かり、見落としていただけなので、簡単に回復し、元に戻った。
 もう諦めていただけに、これは喜ばしいが、元々故障や不都合などなかったのだから、島内がドタバタやっていただけ。
 しかし、一寸した不都合があっただけで放置したり、捨てたりすることもある。最初から気に入らないものだったのだろう。
 
   了


 


2024年3月27日

 

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