川崎フォトエッセイ  その21  白昼夢    ←前 次→  ホーム


 真夏の真昼は、表通りも森閑としている。と、いうのは昔の話で、表通りは相変わらず車でいっぱいである。もちろん車の中に人が入っているので、人の気配はある。

 人の気配が途絶えたゴーストタウンのような真夏の街が、どこかにあるような気がする。

 真夏の真昼は、自分が誰であるかさえ忘れてしまうほど、頭がはっきりとしない。街を見る目もぼんやりしているのだ。まぶしくて目を開けることさえ苦痛だ。

 夏日のコントラストの強さは、中間トーンを潰してしまう。極端に言えば黒か白になってしまう。

 そのためかどうかは分からないが、夏場、衝動買いする場合が多い。その他の判断も荒っぽい。

 この時期を利用して、思い切った動きをするのもいいかもしれない。「真夏の夢」に終わる可能性も高いが。