川崎フォトエッセイ  その59  地下街    ←前 次→  HOME


 地下街は、ダンジョンゲームのように迷路の中を進む感じだ。それが、毎日通っている通路なら、問題は何もないが、初めて来た町の地下は、不親切で、人に冷たい。

 地上だと、建物の形や、その背景の山や、または太陽の位置で、おおよその位置は分かるのだが、地下街は同じようなユニットが無限ループのように連なっているため、迷い込むとイライラする。まあ、これは理不尽な仕打ちに合っているようなものなのだ。

 国電から地下鉄へ向かうとき、単なる通路なら問題はないが、そこに地下街というテナントが入り込むと、専用通路ではなくなり、一種の街になるため、地下鉄への矢印マークが目立たなくなるし、場所によってはそれさえない場所もある。

 これは地下商店街にとっては幸いかもしれない。迷えば迷うほどテナント内を人がうろうろするわけである。

 こういう皮肉を言いたくなるほど、街は難解になってきているのだ。