川崎フォトエッセイ  その138  石の階段    ←前 次→  HOME


 同じ階段でも、石造りだと趣が違う。しかも苔とかが生えていると、さらに効果が高い。

 階段は、歩いて上るには急な場合に設置される。目的はこれだけだろう。ビル内の階段も、緩やかな傾斜スペースが得られるのなら、階段にする必要はない。

 機能を果たせば、それでOKという仕掛けは、それはそれでいいのだが、なんとなく味気ない。このあたり、声を大にして言うほどのことではない。なぜなら、階段は階段だからで、それ以上のことは、付録だからである。

 しかし、自然石を加工した階段に苔が生えているのを見ると、自然に溶け込んでいて、人工的な圧迫感がなく、非常に上り心地がいい。

 今ではこの種の階段は贅沢品で、新しく作ろうとすればコスト面で不可だろう。

 豊かな時代かもしれないが、よく見ると、昔に比べて貧相な面が多々ある。