川崎フォトエッセイ  その148  不便    ←前 次→  HOME


 車は便利だが、渋滞の時は難儀する。道路上では、車は走っているもの……という頭があるので、止まってしまうと、妙に疲れる。箱の中に閉じこめられている感じがするのだ。

 そんな日は高速道路も渋滞で、料金を払うのがばからしく思える。さらにほとんどの道路は駐車できないので、駐車場に入れることになる。もうこれだけで、電車のほうが交通費的には安い。

 高性能な車を買っても、渋滞の中では真価を発揮する機会は少ない。機動力のあるスクーターのほうが早いほどだ。

 しかし荷物を運んだり、人を駅まで送るときなどは便利だ。病人を病院まで運んだりできる。

 便利だと分かっている人が多いので、車が増える。すると逆に不便な乗り物になってしまう。道路事情の問題もあるので、車そのものが不便なのではない。

 飛び抜けて快適なものに対して、周囲の環境が追いつかない一例だろう。