川崎フォトエッセイ  その189  路地ユニット    ←前 →次  HOME

 路地裏を形成しているユニットは、規格品が少ない。樹脂製の板壁とかは、木目も同じになってしまうが、本物の木材を作っていると、目の走り方が違ってくるし、木の種類による趣の差も多くなる。

 地下街や地下鉄通路は、どこも似たようなユニットの集まりで、これは退屈だ。変化があるとすれば広告ぐらいである。

 路地裏は、その意味で飽きないほど、見るものが多いのだが、それでも、ある時代の路地裏は、ある時代の路地ユニットでできていることにはかわりはないが……。

 ただ路地裏は、地下街や新興住宅地に比べて、ユニット数が多いことだ。その中には機能していないものや、片付けていないものも含まれている。つまり無駄なオブジェとなって転がっていたり、放置されていたりする。

 機能重視の通路と違い、路地裏は生活の一部がはみ出ている場所だけに、整理しきれない面白味がある。