川崎フォトエッセイ  その234  自然の営み    ←前 →次  HOME

 自然を見ているときは、視線も自然になる。自然の中に不自然なものがは入り込んでいると、違和感から、そこに目が走る。

 自然物で構成されている空間は、決まったパターンを繰り返すため、注意を引きにくい。街中の風景は、人為的な企みが目に入るため、その背景を見てしまう。

 自然が織りなすドラマも、定番の古典を見ているようで、非常に見やすい。これは太古から人が見てきた風景だけに、こなれているのだ。

 こなれた風景空間の中にいるとき、あまり風景を意識しない。そのため雑念が起きにくい。人為的な浮き世事が視界に入らないため、リラックスしやすい。

 しかし公園とかでは、これを作った背景とかが、目には見えないが、視界の中に入ってくる。人は自然よりも、人を気にするためだ。

 樹木や草花を見ていると落ち着くのは、それらがマイペースで綿々と生を営んでいる姿が伝わるためだろうか。