川崎フォトエッセイ  その268  ビル    ←前 →次  HOME


 都心部のビルは、長屋のように道路の両脇に並んでいる。一つ一つが別の建物なのだが、同じビルのように感じてしまう。たまに一つのビルが歯が抜けたように、更地になっていると、隣のビルの壁面を観察することができる。

 更に観察すると、高さは同じでも、片一方は十階建てで、隣は十一階建てであることに気づいたりする。わずかに天井までの高さが違うのだ。

 一つのビルだけが、ぽつんと建っている場合、建物の輪郭が掴みやすいし、目印になりやすい。隣に高い建物がなければ、ビルからの展望もいい。当然下からもよく見える。

 都心部で、任意のビルを探すのは難しい。建物のほとんどがビルだと言っても過言ではない。似たようなビルが並んでおり、出入り口も似ているため、滅多に行かないビルは、探すのに往生する。