川崎フォトエッセイ  その277  眠り    ←前 →次  HOME


  眠っている間は、昼間のような意識は中断している。中断なのは、目覚めると意識が回復するためだ。それに睡眠中も、ちょっとしたことですぐに意識が戻ってしまう。

 眠っているときは時間の感覚がわからない。一度も起きなければ、八時間の眠りも一瞬である。

 慢性的な不眠症の人でなくても、眠れない夜がある。意識がなかなか消えてくれないのだ。そのため、全人格的な自分と、つきあわないといけない。眠りに落ちるとそれから解放される。もう自分をやらなくてもいいからだ。

 当然夢は見る。このとき、夢の中でも意識はある。昼間と同じような情景で、いつもの自分がそこにいて、何らかのことをしている夢なら、それは夢とは思えないだろう。ところが、いつもと違っていたり、展開がおかしいと「これは夢だ」と、夢の中でも意識できる。自分に代わって、番人をしてくれている人がいるような感じだ。