川崎フォトエッセイ  その283  町内化    ←前 →次  HOME


 サンダル履きで出かけられる範囲がある。下駄履きの距離という表現もあるが、最近は下駄を履いている人は少ない。ぬかるみ道などでは下駄は重宝するが、舗装された歩道や、合成樹脂を敷いた床の上を歩くには、下駄はあっていないためだろう。その気になって下駄を踏み鳴らすと、凄い音がする。そのてん底が柔らかいサンダルは、大人しい。

 サンダル履きで、都心部に出ると、違和感が発生する。まあ、下がサンダルなので、着ている服装もラフである。と、言うより無防備なのだ。全くのノーガードで歩いているようなものだ。

 考えてみると、何をガードするのだろうか? 言えることは、ファッション雑誌とか、流行を無視していることだ。ガードが甘いどころか、その種の規範を問題にしていないのだ。

 サンダル履きの守備範囲は、広いほうがリラックスできる。うんと広い人は、世界中を町内化できる人だ。