川崎フォトエッセイ  その299  文学的    ←前 →次  HOME


 今ひとつ明快ではないもの、はっきりしないものを見ると、説明が欲しくなる。その場合、もともと曖昧で言葉になりにくいものだと、聞きようがない。

 知らなくても不自由しないものや、不便だとも思わないものに対しては、追求心も薄くなる。つまりその程度のものは、気にかける必要さえない。と、言いきってもいいのだが、何となく印象に残り、気になってしまうこともある。

 ここから先は文学的に無理に作ってしまうような世界かもしれない。それをどう分解しても、大した発見でもなく、逆にたわいもないことだったりする。

 問題は、最初に見たその一瞬の光景なのだ。それ以上観察したり詮索すると、もうその印象は溶けてしまい、気にかけるものではなくなってしまう。