川崎フォトエッセイ  その311  農家    ←前 →次  HOME

 人の暮らしは、時代によってどんどん変わっていく。自分自身の暮らしは、自分で見てきているので、それほど急激に変わったとは思えないが、身の回りのものを見ると、二十年前にはなかったものがたくさん並んでいる。

 家とかは二十年前とはそれほど違わないが、持ち物や道具類は、新しいものに置き換えられている。人の暮らしということでは、何百年前と同じかもしれないが、暮らし方が違ってきている。その違いが、同じ民族とは思えないほどガラリと変化してしまった場合、過去がカルチャーショックになる。

 様々なものが置き換えられたり、すり替えられているだけのことなのだが、それらの持つものの雰囲気が、暮らしの考え方に影響する。

 たとえば話しても聞き入れてくれない自販機や自動券売機などがそうだ。目的を機能的に効率よく果たすのは悪くはないが、そこで欠け落ちてしまうものがある。それは単に雰囲気や情味とかの感性的なことなのだが、人間味のあるものに飢えを感じてしまいそうだ。