川崎フォトエッセイ  その322  怪しい人    ←前 →次  HOME

 世の中には「怪しい人」がいる。しかし、本人は怪しさに気づいていない場合もある。「怪しさ」を決めるのは、当然観察者なのだが、「怪しさの定番」があり、相手が怪しくなくても「怪しい人」として、即座に決めつけるようだ。

 どう見ても怪しい人を、もしかして「怪しくない人」なのではないかと、頭を巡らせる方が、実は面倒で、そこまで相手をフォローする余裕は、普通はないだろう。

 僕らにとって「普通の人」という範囲は、実際には曖昧だ。普通の人も何かの都合で怪しい人になるし、怪しい人も状態によってはすごく普通の人にもなる。

 自分はもう、どこから見ても怪しい人だと自信を持って言えるようになると、その種の基準など最初からなかったかのような行動に出たりする。

 基準は変動する。だから、もうその基準自体を無視した方が「怪しい人」のとっては快適なのかもしれない。