川崎フォトエッセイ  その363  あるもの    ←前 →次  HOME

 室内にあるものが屋外にあると、妙な感じになる。部屋の中でよく見かけるものや、よく使っているものなら、よく知っているはずで、未知のものではないのだが、置かれている場所や、別な使われ方をしていると、やはりちょっと驚く。

 あるものを見るとき、そのものだけを見ているのではなく、その周囲も見ている。特に日常の中で見かけるものは、それ単独で見ているわけではない。背景となるバックは、注視していなくても、状況として捉えているのである。

 あるものとその背景は、写真では明解だが、つまり、あるものにピントを合わせて固定してしまうが、人間の目は、自動追従オートーフォーカスになっているので、あるものと背景の何かとのピントの切り替えは繰り返しやっている。

 あるものと背景は、コミになっていて、パターン化されている。それをやっているのは人間の文化的な捉え方の機能だろ。