川崎フォトエッセイ  その434 第二の人生       HOME

 人生は一度きりなのに「第二の人生」なるものがある。それを言い出すと「第三の人生」も可能になる。

 その人が生まれ育ち、そして生きていく中で、それまでとは全く違う環境での生き方になった場合、第二の人生が発生するのかもしれない。

「生まれ変わった気持ちで……」は、気持ちだけが更新されている。その場合、本人の気持ちとは裏腹に、第三者から見れば、何も変わっていないような状態もある。気持ちを変えたぐらいで、生まれ変わったような心境になれるとは思えない。

 いずれも、言葉のあやでしかないのだが、その「あや」に引っかけることによって、人はそれなりの補正をしてる。

「世界は言葉によってできている」と言う説は、まんざら嘘ではない。それは嘘の上に嘘を塗り重ねているだけに、その嘘が正しい嘘だということになるためだろうか。