川崎フォトエッセイ  その479  不快的快感      HOME

 時たまクルマが走っていない道路がある。それは偶然クルマがいないだけなのだが、何か不思議な気がする。いつもと感じが違うためだ。いつの間にか歩行者は路肩を歩く習慣ができている。それは真ん中を歩いているとクルマが通れないためで、結局は路肩に最初から寄っていたほうが面倒がなくてすむからだ。

 人は不快な思いをしたくない。一度味わった不快さを二度と体験したくない。そのため不快になるような状況を避ける癖ができるのだろうか。

 人が不快になるのは、何らかの物事との接触現場だ。逆に快感を得るのも接触現場が多い。人の快感は他人にとっての不快を招くことが多い。他人に快感を与えることで、自分の不快を犠牲にすることもある。結果的に「そうしてやりたい」という前提があれば、それば犠牲的不快が快感に変化することもある。