川崎フォトエッセイ  その483  樹木      HOME

 森の中に普通の家がある図は日本では滅多に見ることはできない。特に都市近郊の街では森に類するものは公園の樹木とかで、森が広がる平野部など、あれば貴重な存在だろう。森とまではいかないが、神社が木々で囲まれているのを見かける程度だ。また、お屋敷街とかは、敷地も広いためか樹木も多い。

 庭に草花を植えるよりも、樹木を植えたほうが迫力がある。木の葉の広がりは屋根を越え、建物を隠してしまうほどだ。

 その樹木を一本抜くと、建物の印象が変わってしまうこともある。何か間が抜けたような感じになるのだ。と、言うことは、建物の一部のようになっていたのかもしれない。

 一昔前の民家は、木々や草花込みで佇んでいた。それがマンションとかになると、切り離される。それらはなくても不便を感じないし、必要なものではないのだが、何かが欠けてしまうと思うのは、単なる憂慮だろうか。