川崎フォトエッセイ  その512  道と人      HOME

 その道が私道とか特別な道でない限り、誰が通ってもかまわない。その道が好きな人もいれば、通り道なので仕方なく利用している人もいる。当然、道についての云々など意識しない通行人もいる。

 誰が通ってもかまわない道は、誰かの道ではない。そこを通っている人がその瞬間の主人公となる。通る人のイメージと道との関係が何となく生まれる。別の人が通ると、その外見上のキャラクタと背景との組み合わせで、また違った関係が生まれる。

 日常の中での道は、目的地まで移動するための道である。徒歩と乗り物を利用してでは印象は違うが、その道と関わっていることにはかわりはない。

 関わりたくなくても関わってしまうあたりが道の面白いところで、一気に目的地までワープできないのだから、どうしても道を通る時間が必要になってしまう。

 道は公共の場だが、道だけがただあるのではなく、道沿いに具体的な風景が展開しており、周囲の建物とかで道の印象が決められてしまうようだ。