川崎フォトエッセイ  その597  格式      HOME

 ある建物を見ただけで、その持ち主や主の人物なりを想像してしまう。当然、その場の様式に似たものがあり、そこでの接し方も影響される。

 建物は何らかの目的のために建てられる。従ってそれにかなうような設備や雰囲気が付け加えられている。周囲を囲った箱ではなく、ある種のイメージを演出するための外装や内装がなされている。それは普通の住宅でも程度の差はあれ、それなりの様式で、イメージを与えようとしている。

 建物が発するイメージは非常に具体的で、来る人を和ませたり威圧したりとかの装置が施されている。

 伝統的な建物様式は、格式と呼ぶにふさわしい落ち着きがある。これは、住み負けするほどの威圧感が建物にある場合、人はそれに合わせてしまうこともある。

 そして、そこを出ると、その人にとって普通の現在に戻る。