川崎フォトエッセイ  その599        HOME

 ある朝外に出てみると景色が一変していることがある。あまり雪の降らない地方に住んでいたりすると、景観の違いに驚く。

 雪国と呼ばれるように、豪雪地帯に対するこの分け方は、生理的でよい。同じような言い方で南国もある。それらがどの都道府県を指すのかは曖昧だが、風土の違いのほうが国分けにはふさわしい。

 雪の降る夜は、雪が降っていない夜よりも静かな感じがある。雨なら降っている音がするため、雨量にふさわしいボリュームがある。同じように空から落ちてきているのに、音がしないため、雪は静かに降っているように聞こえてしまう。音がしないのなら、聞こえないのだが、そう感じてしまうのだ。また雪が積もり始めると、それなりの防音や遮断効果があるためかもしれない。

 雪の朝、驚くのは、音がなかったからで、予測できないことも起因する。それなりに積もっていると、普段とは違う色彩に町はなり、歩き方も違ってくる。