川崎フォトエッセイ  その620  散歩の時間      HOME

 散歩者の視線は、普通に歩いている人に比べると、日常的ではない角度でものを見ている。それは散歩が目的なので、観察力が冴えるからだ。

 散歩中は立ち止まるのは苦にならない。散歩が用事なので、急ぐ必要はないからだ。しかし、何も見たくなく、考えたくない散歩もある。

 人が生きている世界は生々しい。そこから少し離れていたいこともある。引いた目で時を過ごしたいわけだ。視界に入ってくる情報は、出来る限り生々しくないものを選択するはずだ。

 睡眠中は何かを思ったり、何かを考えたりはしていない。頭を休めるには睡眠が一番だが、起きている時間があまりにも忙しく、追い立てられるような日中だと、何処かで息抜きが必要だ。

 しかし、スケジュールが一杯だと、呑気に散歩などで時間をとれないだろう。