川崎フォトエッセイ  その624  適応      HOME

 時は一方通行で、先にしか進めない。あるものを見ていると、昔を感じることがある。それは「物に残る」時だろうか。

 その物よりも新しい物が出現し、その物が街を覆い始め、それが普通になったとき、一つか二つ前の物に時を感じる。

 変化の区切りは個人的な箇所もある。その人が標準としているものを変えようとしなければ、新しい物はいつまで経っても難儀な物であり続ける。

 機能は同じでも形や使い方が異なると、別の物のように思えてしまう。体験したことがないほど古い物に接すると、逆に新鮮に感じることもある。

 知らないことは新鮮で新しいのだが、それは自分にとっての展開だ。他人には通じないかもしれないという前提の元で、接すれば問題はない。

 過去に滅びたものは、それだけの原因があったわけで、良い悪いではなく、適応しにくくなっただけである。