川崎フォトエッセイ  その644  観覧車      HOME

 高い場所から下を見ると、見晴らしがいい。都会にある観覧車からの景観は、高層ビルのオフィスから見下ろすのとはまた違う趣がある。

 それは、ある意味で純粋に高い場所での遊覧を楽しむために、そこにいるためだろうか。観覧車は遊びの空間の中にある。一人でそこに行くよりも、遊び仲間やカップルで行くことが多い。

 そのため、頭は日常とは切り替わっており、プライベートな意味合いで下界を見下ろすことになる。

 同じ景観でも、横にいる人によっても趣が異なる。観覧車は一種の密室で、数分間は個室を借りているようなものだ。

 観覧車の中は、プライベートな部屋である。それを下界から見上げても、遠すぎて部屋の内部は見えにくい。

 観覧車は遠くからでも見えるため、多くの人々に見られていることになるため、煌びやかな気持ちにもなり得る。