川崎フォトエッセイ  その665  表示印象      HOME

 町には断片的な情報があふれている。自分が今欲しい情報でなければ、町中で見え隠れしている情報は単なる映像として映る。

 記憶に残る表示情報もあり、それは必要性による注目ではなく、表示印象からも起こりやすい。それが何についての情報なのかは忘れても、表示だけの印象が残る。

 何かの機会で、その情報が必要になったとき、表示を頼りに街を彷徨うこともある。

 印象だけで探索するのは危険だが、通りを歩きながらたどっていく行為は、それなりにアナログ的で、電話とかで住所を聞いて訪ね行くよりもスムーズである。

 直(じか)に、そしてベタ足で、探索する行為は、周辺印象も加わり、思い出としての印象度も高いはずだ。

 ネット上での検索は、たどり着く手段としては非常に素早く、必要なものを探し出しやすいが、印象に残りにくい。一度行った町並みに比べ、体を使っていないためかもしれない。何処まで行っても表示の世界は、くい込み度が低い。