川崎フォトエッセイ  その691  聖地      HOME

 人々が寺社を訪れるのは、日常とは違う境地に立ちたいからだろうか。寺社にとっては、そこが日常なのだが、訪れる人にとっては日常からほど遠いレベル世界となる。

 そこに何が祭られているかよりも、その敷地内の雰囲気に惹かれるのかもしれない。

 人の生き死にや、生き方に関しての問答は、日常の暮らしや仕事から見れば、上位の階層にある。

 寺社を訪れることによって、一瞬日常のやん事を忘れることがある。頭の中でのアクセスする場所が違うためで、眼前の問題から遠ざかることも可能だ。

 この種の古典的聖地とは別に、大都会の中にも、似たような境地が味わえる場所がある。それは、専門的な趣味の店とか、非日常的なショーを演じる店とか、内装を出来るだけ日常からかけ離れた飲み屋さんとかだ。

 日常からしばし離れる、それは息抜きでもあり、生きている実感を純粋に味わう時でもある。