川崎フォトエッセイ  その693        HOME

 神仏は人と似た姿で表現されることが多い。そのほうが分かりやすいためだ。神仏にゆかりのある動物も、実在する動物と似ている。あまり現実とかけ離れすぎると、奇異すぎ、繋がりとしての親しみを見失うからだ。

 リアルな世の中では、神仏は通じない。ただそれが宗教となると、社会的ポジションを持っているため、社会的存在となり、影響力はある。

 組織だった宗教ではなく、単純な信仰があり、非常に個人的な論理と印象だけで成立することもある。この場合、未知なるものとの繋がりを持つことで、現実を豊かにすることに貢献するようだ。

 この世には存在しない動物の形を見たとき、その造形物が問題なのではなく、そこから発せられた雰囲気を見る側がどう受け止めるかだ。

 そこに何らかの精神的エネルギーに似たイメージを感じ取ることが可能だ。それは自分の中にある何かにアクセスしていることになる。