川崎フォトエッセイ  その698  石仏群      HOME

 以前、何かが祭られており、その何かが忘れられた状態で、単なる形だけの存在になっていることがある。

 過去に何かがあり、それを鎮めたり、いつまでもその記憶を残しておきたいと願ったり…で、造られたものだろうが、その物語さえも忘れられ、形跡だけが、残っていることもある。

 その形跡は抽象的なオブジェとなり、他の目的のために復活することもある。この場合、人知を越えた現象、人だけではどうにもならないような現象一般に、当てはめてみると、十分信仰の対象になる。

 過去の目的が忘れれても、その機能は生きており、ネタを変えても、作動するような感じがある。

 その土地に住んでいた民衆の思いのようなものが大切で、石仏は素朴なほど情味を感じる。

 そこには過去のデータが残っおり、今も稼働しているように思えてしまう。