川崎フォトエッセイ  その719  量り売り       HOME

 御菓子の量り売りをしていた時代もあった。今もまだ残っているだろうが、売る方も手間がかかるためか、あらかじめ袋に詰めている店もある。

 量り売りをする場合、入れ物や、それを取り出すスコップや、計量器が必要になり、さらにそれを入れる袋も用意しないといけない。ビニールパックで売るほうが、遙かに手間は省略できる。

 しかし、昔からあるような店で、設備が最初から整っている場合、そのアナログ的システム機材一式を捨てるのはもったいない。

 流通の合理化が進みすぎると、それと反対側の世界が懐かしく思え、何となく貴重に思え、もう一度体験してみたくなる。

 自販機を設置したたばこ屋のおばあさんが、機械で買う人に対しても、礼や愛想の言葉をかける風景があり、これなども、売る実感を、売る側も体験したいのだと、思ったりする。