川崎フォトエッセイ  その731  陳腐       HOME

 灰色をしたブロック塀はありふれすぎたのか、新しく塀でも作ろうと思うとき、煉瓦風にしたり、質感が違うものにしたくなるようだ。

 そして、どうでもいいような塀とかでは、相変わらず、ありふれたブロック塀が使われている。

 ありふれたものから抜け出したく思う気持ちは、何処から来るのだろう。それは、陳腐なものを受け入れたくないと思うためだろうか。

 ありふれたものが、必ずしも陳腐なものではないが、陳腐なイメージが付いてしまったものは、本来の意味からはずれたところで、損をしている。

 陳腐さを感じる自分そのものが陳腐であることが多い。その陳腐さを知るには、その陳腐な要素を自分が持っていないと、反応しないものである。

 忌み嫌っているもの、それは自分の中に同質のものを抱え込んでいるためだ。