川崎フォトエッセイ  その794  人と背景       HOME

 見知らぬ人の印象は、最初に登場した場所によってアウトラインを勝手に決めてしまうことがある。勝手な思い込みだろう。

 同じ人でも、別の場所で見かけたときは、印象がまた違ってくる。しかし、その印象による情報は、大した意味はなく、実用性もないし、自分との関わりもないため、厳密なものでなくてもかまわない。

 風景の中に溶け込んでいる人物は、風景と同じことになる。

 ある人物とリアルな関係が発生している場合でも、果たして僕らはどの程度、その人の情報を知っているのだろうか。

 その人が持っている背景イメージで、その人を見ていることの方が多い。そうなると、風景を見ているような感じで、交際している人間も見ているようなところもある。

 しばらくつき合ううちに、その人のキャラクタがわかってきたとしても、やはりその人を取り巻く環境風景から離れられないのかもしれない。