川崎フォトエッセイ  その805  団地       HOME

 団地が新鮮だった時代がある。団地は複数の棟が並んでいることが多く、大きな団地なら、規模としては「町内」になり、さらに大きいと自治体としてのまとまりがある。

 今は、公団住宅も、一見すれば普通のマンションと変わらないものがある。超高層公団住宅は入居所帯数は多いが、町内的な色彩は薄いように思える。

 団地には公園があり、団地独自のイベントがあるのも、それが町内と同じレベルで見ているためだ。単に建物の形が違うだけである。

 規模の大きな団地は、巨大な給水塔が聳え、それが一種のシンボルタワーとなっていた。これは、村落にある鎮守の森の大木に近い目印だ。

 間取りがほとんど同じという団地は、住人たちはデフォルトとしての共通点を持っている。

 同じよう居住空間で、暮らしていると、我が家の特徴とか、他の家とのちょっとした違いが気になることもあるはずだ。

 老朽化した団地を見ていると、町そのものも、よい感じで枯れているようで、情味が漂っている。