川崎フォトエッセイ  その812  宇宙       HOME

 宇宙飛行士が、宇宙を見て、神秘的体験をして帰還してくるケースがある。この地球上も宇宙の中にある場所なのだが、地球から離れた場所の方が、より宇宙空間らしい。

 この「らしさ」は、地球上から見る宇宙の状態や環境になるため、より宇宙らしいのだ。

 つまり、地球的な物は宇宙船しかなく、そのほかは全て「宇宙的景色」となるため、宇宙に圧倒されるのだ。

 僕らが空を見るとき、それは宇宙を見ていることでもあるが、すぐ下を見ると普通の暮らしがある。日常は宇宙的感慨とは異なり、その規模でものを見ない。

 自然の営みは、宇宙の営みであり、これは人類が産まれる遙か前から綿々と続いていることである。

 僕らは宇宙から発生した何かである。その源を見るというのは、イメージとしては胎内世界にも通じるものがある。

 そのスペースが今も生き続け、動いている。それは僕らの生活サイクルとは尺度が違いすぎるため、永遠なるものとして見えてくる。