川崎フォトエッセイ  その822  虐殺       HOME

 樹木や草花に囲まれた場所で暮らす…ということは、昔なら珍しいことではなかった。元々そういう場所に人が家を建て、暮らし始めたため、自然の中に人がお邪魔する感じだった。

 ところが、機械技術の進歩で、あっという間に「人の土地」にフォーマットする力を持った。自然をつぶしてから、その上に自然を乗せる感じになる。

 人が管理する土地は、自然も管理されている。そこで咲いている草花のほとんどは、パッケージ化されて売られているもので、自然に育っているわけではない。

 管理する、という意味で、雑草類は排除される。綺麗な花を咲かせる雑草でも、管理という帳面に載せにくいためか、管理しにくいオプションとなる。

 花をテーマにした博覧会でも、イベントが終わると、ほとんどの花は処理される。つまり「殺される」。草花を愛するイベントで、草花にとって最悪の惨劇が起こっている。