川崎フォトエッセイ  その840  ロマン       HOME

 ロマンは視点で生まれる。日常の中でロマンを求めても、ロマンが見えてくるわけではない。

 ロマンは日常から発生する。普通の暮らしや普通の日常生活がなければ、ロマンは見えてこない。

 ロマンの中に埋没していると、それはもうロマンではなく、日常である。

 ロマンは日常の中から垣間見るもので、その場所へ立ってもロマンは逃げてしまう。そのため、さらなるロマンを求めて視線を繰り出すことになる。

 ロマンに満ちた世界でも、すぐにリアルな世界に塗り替えられる。

「ふるさとは遠くにありて想うもの」…とロマンとは似ている。

 人の持つ感覚や想いは、特別な人だけが見出しているわけではない。気づかないだけで、同じ箇所を刺激しているのだ。

 そういうものは、曖昧なままでよく、深く追求すると、それ自体がつまらなくなる。