川崎フォトエッセイ  その873  表示願望       HOME

 世間の人々に何かを表示させたいという願望が人にはあるのだろうか。それは自分の存在を意思表示するだけの表示かもしれない。その場合、自分の中で完結している。

 しかし、自分の外側でその行為をしないと、自分自身に対しての説得力に欠ける。

 外部の何かに書き込むことによって、自分の中にも書き込まれる感じだ。

 その痕跡は外部にあるため、その痕跡は誰かの目に触れることになる。

 外部に対しての書き込みは、ネット上での双方向性で、書き込む場が提供されている。こちらのほうが遙かに痕跡としては薄く、幻想的である。

 瓦の家紋も、落書きも、外部に向かって表示させるという意味では同じだ。それは太古から執り行われていた行為である。

 ネット上では書き換えられるスピードは速いが、リアルではスピードやタイミングもアナログ的で、場合によっては書き換えられないこともある。