川崎フォトエッセイ  その919  板の廊下       HOME

 板の廊下など、最近は見かけなくなった。昔の校舎は木造二階建てが多く、長い廊下が端から端まで走っており、まるでトンネルのようだった。

 かなり長い廊下は、かなりのスピードで走ることが出来る。加速が可能な距離があるからだ。

 コンクリートの廊下で、転倒するより、板敷きのほうがダメージが少ない。それなりのクッションがあるためだろうか。

 コンクリートの場合、その面は全て一律で、均等だが、板敷きは、一枚一枚の板に癖がある。視覚的にもその変化は分かるし、それが足に伝わるような気もする。

 単に通路としての廊下であっても、その機能だけを優先させすぎると、その周辺が削ぎ落とされる。これが時代だろう。

 そして、削ぎ落とされた箇所を、別枠で用意すると、わざとらしさが出てしまう。付随していた周辺の何かが、気持ちの中からも消えてしまうのは残念だ。