川崎フォトエッセイ  その923  光沢       HOME

 光るものは、昔から値打ちがある。価値の象徴だ。

 最初から光っているものもあるが、そうでないものもある。しかし後者も磨かれることで光を放つ。

 光らせるために磨くのではなく、よく使うものは摩耗し、自然な研磨で、艶が出ることもある。当然、それが光が当たると光ることもある。

 先取りというのがある。磨けば光ることを知っているため、むやみに磨く行為だ。長い年月の末、光沢を放つようになったのではなく、磨く行為に徹するやり方だ。これは特訓だろうか。

 一つのことをずっとやっていると、それに付随するものが磨かれていく。それを中断し、別のジャンルなりに鞍替えしたとき、また一からやり直しである。

「昔の光今いずこ…」荒城の月ではないが、反射率が落ちたものにも、味わいはある。