川崎フォトエッセイ  その977  燃やす       HOME

 人が作り出してしまったゴミは、自然に燃えて灰にはなってくれない。また、燃えないゴミもあり、さらに迂闊に燃やしてはいけないゴミもある。面倒な世の中になったのだが、面倒さのない快適さが生み出した結果でもある。

 機能を失うと、面倒な物体と化すのだが、面倒を解決してくれる機材や商品を使わないようにすることは、この時代に生きる限り、不可能だ。

 燃やすと有害なものが出るのは、物ばかりではない。人の気持ちも、妙な燃え方をし、妙な毒を発生させることも多くなった。精神的逸脱でしか燃えない状態の人も多くなり、人を巻き込んでしまうことになる。

 情念の炎は、有害ではない。そこで燃やしているものが真っ当なら問題はないだろう。多少の災いや迷惑を人に与えたとしても、納得でき、消火できるものだろう。

 大きな幸せは大きな不幸を背負っているような気がする。