川崎フォトエッセイ  その979  山を見る       HOME

 日本の国土は山が占める割合が非常に大きい。そのため、山の風景が最も多い平凡な景色になるのだが、それを見ている人が少ないため、平凡なものとはなりにくい。

 また、一昔前までは、人が山の中に入ることはめったになかった。里と山の関係があり、山は異郷、異界と思われていた時代が長い。それは里人の視線である。

 山があり、木が生い茂っていると、いろいろなものが覆い隠されてしまう。まさに樹海であり、海底である地面は見えない。その地面や樹木に動物がいても、隠されてしまう。

 山を見るには、里からではなく、山に入らないと、見えない山も多い。また、角度もあり、そこに立たないと見えない場所もある。

 人跡未踏の場所は、意外と多いかもしれない。それは見えていても、その場所に立った人がいない場所があるからだ。そこに立つ必要がないためだろう。

 また、その辺にある山と同じ風景なら、人跡未踏地の値打ちもそれほどない。

 

 

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