川崎フォトエッセイ  その987  壁       HOME

 普段は邪魔な存在なのだが、いざというとき役立つ存在がある。その「いざ」の状態が問題で、「いざ」が起こるような状態に身を置いていることが問題である。

 このときの「いざ」は予測される「いざ」である。この種の「いざ」は人が活動する限りついて回る問題だ。

 いざというとき役立つその存在も、普段は何のためにあるのかさえ忘れてしまうこともある。景観の一部となり、見慣れた存在になると、なければ淋しいと思うことさえある。

 それが岩の壁ではなくコンクリートの壁であっても、馴染んでしまうと、そう言うものかと素通りしやすい。

 人が作ったものには、それなりの理由があるはずだ。しかし、太古から触ってはいけないものがある。例えば山は神の領域で、それに手を加えるのは憚られるはずだ。

 しかしそれは、何の根拠もない事柄で、証明できないため、自然破壊の壁にはならない。

 

 

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