川崎フォトエッセイ  その996  内なる風景       HOME

 ここは何処だろうかと思うような風景がある。確かに現実の中の風景であり、場所なのだが、ある種の印象が、ワープ感覚を誘う。

 日々、様々な場所を移動している人にとっては、風景印象の違いなど、さほど驚くべきことではないかもしれない。似たような風景を見ているだろうし、これからもタイプの違う風景を見つづけるため、注目ポイントは別のところにあるだろう。

 しかし、風景が物理的にそこにあり、それに対し万人が似たような印象を受けるとは限らない。

 そこへ行くまでのドラマがあるはずだし、そこに立つことの意味が人により違っているからだ。

 遠足で行った場所へ、今度は一人で行ってみると、印象がまったく違う覚えがあるはずだ。

 人は意味を見出す前に、実感が先に走るように思える。そして、その印象をまとめる必要はない。

 

 

川崎フォトエッセイ  その996  内なる風景       HOME