川崎フォトエッセイ  その999  明るい路地       HOME

 路地は狭い道で、その近くに住む人が通る道だ。その人たちにとっては自分の家と同じように分かりやすい場所である。

 その反面、他の人々にとっては分かりにくい場所となる。その路地を訪れる頻度が少ないためだ。毎日通っているような地下街の狭い通路も、頻度の問題で分かりやすくなる。

 路地は道の中では毛細血管のようなもので、多数の人々が行き合う場所ではない。用事がないためだ。

 しかし観光地の路地は不特定多数の人が行き交う。観光が用事…というのは、用事そのものが和やかだ。そのため路地の持つ暗さは薄められる。

 見知らぬ人々が路地を行き交うと、その路地内で住んでいる人にとっては大通りが庭先に出来たのとかわらなくなる。

 見知った人が通るなら分かりやすいが、素性の分からない人々だと、逆に路地内の人々がくつろげない。