川崎フォトエッセイ  その1006  土間       HOME

 土臭い家とは、半分ほどは屋外の要素が入り込んでいる。土壁の土は地面の土が垂直に立っているわけではないが、それに近いものがある。

 土間は板の間ではなく、もろに土足で出入りできる部屋だ。当然足元は土である。

 板の間は床下のある部屋なのだが、土間の部屋の中に櫓を組むような感じで、板の間を張り付けてあるだけのこともある。

 板の間は当然土足では上がれないが、屋外でも素足での人なら、足を洗うことになる。

 当然、草鞋や下駄やなどは密封性がないため、足の裏は外部にさらしているのに近いため、足を洗う必要がある。

 つい最近まで土間が存在していたのは、水道がなかったからだ。炊事をするとき、水を使うのだが、水はカメやバケツにストックする。井戸水から汲んだ水を運ぶとき、こぼしやすいこともあるし、竈そのものが火を使うため、土の上でないと火事を起こしそうになる。

 板の間の囲炉裏も危ない存在だが、後付けではなく、土間を四角く板の間が回り込んでいるだけと見ると分かりやすい。