川崎フォトエッセイ  その1020  語らない花       HOME

 誰が植えたのかは分からないが、眼を休めさせてくれる草花がある。花の名を知らなくても、鑑賞する気持ちが変わるわけではない。ただそこに好ましいものがあることを感じるだけだ。

 よく見かける草花なら、必ず名前があるはずだ。と、言う程度の知識でも、花は観賞できる。

 花は人に見てもらうために咲いているわけではないだろうが、もしかすると、それを育てた人に見て欲しいと願っているかもしれない。

 しかし草花はものを言わない。黙って咲いている。草花がいろいろな事情なりを語り始めると煩いだろう。

 深刻な事情があっても、何も語らず、じっと咲いている草花を見ていると、哀憐の情が湧く。

 何も語ることなく、文句も言わず散っていく花が愛おしい。