川崎フォトエッセイ  その1094  脆さ       HOME

 神経質になるのは、無邪気ではいられない状況があるためだろう。気を回す事が多くなったのか、それとも、この時代が無理をしすぎているのか、それは分からない。

 気を遣う人と、気を遣わない人との差が極端な事もある。いずれも、どの辺りに基準があったのかが分かりにくい。

 無邪気さや呑気さが、罪深い事に成りかねないこともある。ちょっとした見落としが、致命傷になるほど、脆いシステムの上で生きている場合は尚更だ。

 疑心暗鬼に陥りやすくなるのも、今までの社会なら、あり得ないような事が起こるためだろう。その箇所までフォローできるシステムは、不可能に近いカバーをしなくてはならなくなる。

 素直な無邪気さも、その延長線上にあるリスクを先読みされる。

 野蛮な事が容認できた時代は遠いものになった。そこに邪気のない素直な野蛮さも、危険視されるだろう。

 アスファルトでは、水が地面に逃げてくれない。