川崎フォトエッセイ  その1166  ローソク       HOME

 ローソクの炎を見ていると、感情面を揺らされることがある。

 今では、ローソクを照明として、日常の中で灯すことはない。灯りとしては、もっと効率の良い方法があるからだ。

 灯明としての炎は、人の魂のように見えることもある。ローソクの長さが人の寿命で、やがて、燃え尽きてしまう。

 ローソクの炎は、風がなければ、全く動かない。静に灯っている。人も同じように、静かな環境だと、魂も鎮まっているようだ。

 また、じっと見ていると、眠くなる。鎮静作用が働いているのだろう。

 火は人にとっては危険な存在なのだが、この程度の小ささなら、恐れることはない。元々恐ろしいもの程、聖なる存在になり得る。

 また、暖色系は、血の色に近く、生命を感じる。

 しかし、夜中に、ローソクを灯し、じっとそれを見ている状態は、かなり妖しい。