川崎フォトエッセイ  その1200 表情      HOME

 ある表情で固まってしまってしまうと、その表情が標準になる。

 人には様々な表情があるが、その表情が、その人を表しているとは限らない。偶然そんな顔つきをしただけのことだろう。

 当然、それとは全く別の表情もあるはずで、切り替わるときの怖さがある。

 いつもにこにこしている人の怒り顔が怖いのは、見慣れた表情ではなくなるからだ。

 気持ちがそのまま表情として出るわけではない。また、人に対して、好意的な表情を作り続けても、効果のない時もある。

 表情があまりない状態より、それが崩れた瞬間に、その人らしさを見いだすこともあるが、その前後のシーンを飛ばすと、表情の意味が見えなくなる。つまり、形だけを取り出して、その人らしさとして固定するわけだ。

 人は表情が豊かな方が、豊かな生き方をしているように見えるが、良い面ばかりがあるとは限らない。